営業の仕事は、
「数字を上げること」
「会社の売上、利益を上げること」
が最優先です。
インセンティブが発生する会社であればなおさらです。
「会社の売上、利益を上げるため!」
というと聞こえはいいですが、なんだか会社のために働く感が強くなってあまりモチベーションにつながらなかったりします。
そんな時の考え方として、あなた自身が経営者としての視点で営業活動を行うことで少し違った見方を出来るようになります。
- 1.どのくらい会社の利益を上げたのか
- 固定給の日割り、時間割りを算出する
- 営業活動を行う上で必要な経費を算出
- 会社への貢献度は上の2つをどれだけ上回るか
- 2.自分が社長だったらどう動いて欲しいのか
- 3.あなた自身の利益も計算にしてみる
- 4.自分のための経営者目線
- まとめ
1.どのくらい会社の利益を上げたのか
売上を上げるというのは営業マンも会社も同じです。
であれば、営業マン一人を会社だと考えれば、あなたがどんな考え方をすればいいのかが見えてきます。
「こんなに売上を上げているのにインセンティブはたったこれだけ??」
「がんばっているのに評価されない」
そんな方は一度この辺りを考えてみてください。
固定給の日割り、時間割りを算出する
月給25万円
月曜から金曜までの週5日、月22日
9:00〜18:00
上の条件で仕事をすると考えると、
一日 11,363円
一時間 1420円
が最低でも必要になります。
もちろん社会保険や雇用保険なんかもありますので、一般的に社員一人にかかる費用は給与の2倍〜3倍とも言われます。
そうなると、あなたの1時間が4260円以上の価値を生み出していなければ利益は上がりません。
一日で考えれば34,089円以上の価値を上げてはじめて利益として捉えることができます。
営業活動を行う上で必要な経費を算出
さらに、営業活動を行う上で必要になってくる交通費、電話代を考慮します。
例えばテレアポの場合、1件コールすると約5円〜50円、通話時間によってはもっとかかります。
NTTの固定電話であれば、市内通話料金は3分8.5円なので、1時間通話すれば170円、一日かけ続ければ1,360円です。
さらに市外通話で20km〜60kmだと1分10円なので、1時間600円、一日4,800円になります。
もちろん通話しっぱなしではなく何件もかけますので実際はもっとかかります。
訪問営業になればお客様先への往復交通費も計算しなければならなくなります。
例えば電車を使って片道500円の距離だと考えると、往復1000円となります。
これが一日にあなたが動いてかかるコストなので、固定給の日割りプラス必要経費の計算になります。
売上を追っているのか、利益を追っているのか
「100万円の仕事を受注した!」
果たしてあなたは1ヶ月分の給料以上の働きをしているのでしょうか?
これはよく勘違いされがちですが、100万円の契約というのは、ただ100万円をもらうことではありません。(当たり前ですが)
もちろんこれが売上になりますが、契約をもらったらサービスや商品を提供しなければなりません。
「仕入の価格が70万円の商品を100万円で販売する契約をもらった」
ということであれば、単純に「30万円の利益」というわけにはいきません。
その30万円からあなたの給料、発注や納品などの作業代、そこに人員が必要になってくるのであれば契約までと契約後にどのくらい必要経費がかかるのかを計算して差引いた額が利益となります。
通常はそこから会社の利益と将来収益を考慮してインセンティブの金額や評価が設定されています。
営業は決められた期限の中でどれだけ利益を上げられるのかが仕事です。
この辺まで考えて動けるようになれば自分がどのくらい会社に貢献しているのかが判断できるはずです。
2.自分が社長だったらどう動いて欲しいのか
あなた自身が経営者だったら、という視点での営業活動が出来るようになってくると、逆にあなたの会社の社長が社員に期待することはどんなことなのかも見えてきます。
どのくらい売上を上げれば良いのか、社内での立ち位置や言動なども求められることが出来るようになります。
あなたの仕事を誰かに任せてみる
これは実際に任せなくても、任せてみると仮定してどのくらい給料を払えるかという部分を考えます。
自分の給料の中から払うと仮定して、払う以上のリターン・メリットがあれば任せてしまったほうが効率がよくなります。
これが会社組織の根本です。
そう考えるとあなたが上げている売上、成果はどの程度会社にとってメリットがあるものなのかが分かります。
3.あなた自身の出費も計算に入れる
これは何なのかというと、
- ランチ代
- 待機時間の喫茶店、缶コーヒー
- ボールペンやノート
これが全てあなた自身の必要経費になります。
サボる時も費用対効果
「今日はなんだかやる気が起こらない」
そんな日もあります。
そんな時は喫茶店でのんびりするのも一つの方法です。
ただ、そこで考えていただきたいのは、
「1時間喫茶店でのんびりする」
ということは、単純にコーヒー代がかかるだけではありません。
あなたにかかっている1時間の給料、コーヒー代、1時間動いた場合に見込まれる売上・利益を失います。
まずはそれがいくらなのかをしっかり計算して把握して下さい。
その上で1時間をのんびり過ごした方がそれ以上のメリット、売上アップが期待できるということであれば全く問題無いということです。
4.自分のための経営者目線
「経営者目線で働け!」
と経営者に言われると、内心(いや、経営者じゃないからムリでしょ)というのが本音です。
「経営者に都合の良いモチベーション操作の言葉でしょ」
「従業員の給与はコスト、安くおさえるのが経営者目線でしょ」
と捉える方も多くいます。
全社員が経営者目線を持ったほうがいいとはもちろん思いません。
ただ、営業マンは会社や組織に属している以上は給料は会社から支払われるものです。
そして「稼ぎたい!」という思いが強い営業マンほど将来は独立を検討します。
営業というのは起業への基礎作りにはピッタリの職業です。
毎月の予算・目標があって、どれだけの達成をしたのか。
どの会社も共通の基本です。
ただ、
のではなくて、
「自分のために経営者目線を持つ」
と考えることです。
経営者目線ができてくれば、本当にその会社で働き続けていいのかも判断できるようになるはずです。
まとめ
経営というのは自分の時間とお金を使っていかにそれを増やすかという部分が大きなウェイトを占めます。
時間の使い方、行動の仕方が営業成果につながるような動きになっていますか?
常にそこを意識して動いていくと、営業マンとしてムダな部分や足りない部分がたくさん見えてきます。
今あなたがやっていることが何に結びつくのかを常に考えながら営業活動を行うと、営業という仕事の見え方もおもしろくなってきます。