営業をやっていると必ず必要になってくるのが契約書へのお客様の印鑑。
「印鑑の種類はたくさんありますが、もらうべきハンコがどれなのかわからない・・・」
なんていうことが無いようにしっかり把握しておきましょう。
印鑑と判子(ハンコ)の違い
まずは基本ですが、判子(ハンコ)と印鑑は違います。
- 判子(ハンコ)
- ハンコというのは押印に使う印章、判子のこと。
手に持つ方がハンコ。
- 印鑑
- 印鑑というのは押印したあとに紙などに写る印影のこと。
もっというと、金融機関や役所に届け出ている印影のことを印鑑と言う。
しばしば世間一般では、正式には印章と呼ばれるもののことをハンコ、印鑑(いんかん)と呼んでいるが、厳密には印章あるいはハンコと同じ意味で「印鑑」という語を用いるのは正確ではない。
出典:wikipedia
実はあまり知られていませんが、こういった基本をおさえておくと恥ずかしい思いをしません。
基本的な印鑑の種類
ここからが本題ですが、営業マンとして知っておかなければならない印鑑の種類について。
申込書や契約書の種類、重要度によって必要になるハンコは数種類あります。
さらに、法人・個人によっても様々です。
- 会社(法人)の印鑑の種類
- 会社実印(代表者印)
- 銀行印
- 角印
- 認印
- 社印(社判)
- 個人の印鑑の種類
- 実印
- 銀行印
- 認印
- シャチハタ
- その他個人事業主の印鑑
会社(法人)の印鑑の種類
株式会社や有限会社、合同会社、合名会社等の法人の場合、複数種類のハンコがあるので悩みがちですが、基本がわかれば簡単です。
会社実印(代表者印)
会社を登記する時に法務局に届け出をしている実印です。
一般的に「丸印」とか「法人登記印」などと呼ばれたりもします。
丸印と呼ばれる理由は、ほとんどの会社の実印が18mmの丸形の印章が一般的だからです。
丸印の内側に書かれている文字は「代表取締役印」「取締役印」「理事長之印」などが書かれていて、その周りに会社名(法人名)が書かれています。
ただ、登記する時の印鑑のサイズは1センチから3センチにおさまる大きさであればいいので、中には角印や個人のハンコを実印として登録していたりもしますので注意が必要です。
通常契約書に使うのは会社の実印を押印します。
実印であることを証明するのが印鑑証明です。
契約書と同時に印鑑証明も必要であれば、印鑑証明に載っている印鑑をもらいます。
銀行印
これはそのままですが、会社の銀行口座を作るときに銀行に届け出ている印鑑で、銀行との取引や小切手、手形の振り出しにも使われる印鑑になります。
一般的には会社実印とは別にひとまわり小さいサイズの印鑑で16.5mmの丸型のものになります。
これも銀行に届け出ている印鑑なので、中には会社実印と同じものだったり、角印を銀行印として使っている会社も多くあるので要注意です。
最近は通帳に副印として貼られているものがないので、「銀行印どれだったっけ?」という社長に出会うと困ってしまいます。
そんなわけないでしょ!
って思うかもしれませんがたまにいるんです。
そんな時は「一番可能性の高いハンコにして下さい、間違えていたら再度お願いします」というのが精一杯ですが。
角印
これもそのまま四角い形の印鑑です。
会社の印鑑っていうと角印が押されているイメージが強い方も多いのではないでしょうか。
一般的に角印は領収書や請求書、見積書などの日常的な書類に使われている印鑑なので目に触れる機会も多くなります。
「会社が発行した書類ですよ」という意味合いがある印鑑ですが、印鑑登録をされているわけではないので認印とも呼ばれます。
契約書への押印が角印だから無効とはならないことが一般的ですが、正式な契約書であれば会社実印をもらうのが望ましいです。
認印
認印というのは届け出をしている印鑑とは別に日常的につかうハンコとして作られている場合があります。
角印も銀行印も認印となりますが、業務の効率化のために実印、銀行印とは別に丸形の認印を作成している会社もあります。
社印(社判)
横長(縦長もある)のゴム印のことです。
社印、社判、ゴム印、ゴム判、横判などと呼ばれたりもします。
スタンプ台で押すタイプのものや、そのままガシャンと押せるタイプのものがあります。
さらに、住所、会社名、代表者名、電話番号などが一体になったものや、それぞれが切り離せるタイプのものなどいろんな種類のゴム印があります。
契約書なんかでは会社名義の申込であれば直筆でなくゴム印で代用することもよくあります。
もちろん全ての契約書に有効かというとそうではないので確認が必要ですが、銀行の届け出や複数枚が複写式になった契約書なんかはゴム印があると手間が省けます。
個人の印鑑の種類
個人の印鑑の場合は法人よりもなじみがありますし、分かりやすい分類です。
個人事業主の場合も、開業届をだしてはいるはずですが、法人ではないので印鑑の種類は一般個人と同じです。
実印
役所などに印鑑登録をしたものが実印となります。
印鑑証明書を発行した時に載っている印鑑と同じものです。
個人事業の場合、開業届に実印の必要はないことが多いので実印を持っていない方も中にはいます。
ぼくも何度か転居をしていますが、市区町村外に引っ越す場合、転出届を提出した時点で印鑑登録も廃止となります。
なので、再度転入先の市区町村で印鑑登録をしないと印鑑証明のとれる実印が存在しないことになります。
個人事業主と契約を交わす場合は一般的に個人の実印を押印してもらいます。
銀行印
そのままですが、銀行や金融機関に届け出をしている印鑑です。
注意したいのは、個人の場合銀行によって届け出をしている印鑑がまちまちだったりします。
A銀行の口座は1のハンコ、B信用金庫の口座は2のハンコと使い分けている人もいますので、当然ですが、A銀行の銀行印として2の印鑑をもらっても印鑑相違になってしまいます。
認印
印鑑登録をしていない印のことです。
三文判と言われたりもします。
「認印と三文判の違いって?」
という疑問もわきますが、答えは「ほぼ同じ」です。
- 三文判
- 三文判というのは、もともと三文で売られていた安いハンコというところからきているハンコの質のこと
- 認印
- 認印というのは、実印ではなくても良い時に確認のために押す印のことでハンコの使い方のこと
シャチハタ
「シャチハタだとダメだよ」
とよく言われたりしますが、意味としては「朱肉をつけて押すハンコでもらう」ということが一般的です。
シャチハタと三文判の違いとしては、シャチハタはスタンプ(インク付きのゴム印のタイプ)で三文判は朱肉を付けて押す印鑑となります。
そもそも「シヤチハタ」というのはスタンプの簡易印を製造している会社名です。
http://www.shachihata.co.jp/
「スタンプタイプのハンコ」という意味で「シャチハタ」という言葉が使われますが、正しくはスタンプ印だとダメなので朱肉を付けた印鑑が必要ということです。
理由としては、
1.ゴムの大量生産のものだと押印した人を特定出来ないから(三文判も同じですが。)ということ
2.朱肉よりも印影が長持ちしないこと
3.ゴムタイプだと使い続けると形が変わってしまうということ
が主な理由です。
その他個人事業主の印鑑
個人事業主の中には会社と同じような丸印や角印を使っていたりもします。
領収書や請求書などに使っていたりもするのですが、正式な書類には使いません。
個人の正式な印鑑は実印となります。
社判(ゴム判)などを作っている個人事業主もいますが、個人事業主の契約書に使うのもNGのケースがほとんどなので注意しましょう。
契約書の間違えた箇所は訂正印
「契約書を記入していて間違えてしまった」
「どうしても規定の契約書から削除したい項目があって訂正が必要」
という場合は二重線を引いて、二重線に重なるように訂正印を押します。
この時に使うハンコは契約書に使っているハンコを訂正印として使うのが正式です。
さらに、訂正した内容が訂正印に重なって見えなくならないように押すことも重要です。
まとめ
営業を始めたばかり、社会人になりたてだと印鑑の種類ってたくさんあって最初は戸惑いますが、基本をおさえれば簡単です。
法人なら「会社実印」「法人口座の銀行印」で代表者の保証が必要な場合は「代表者個人の実印」も必要になります。
個人なら「実印」「銀行印」です。
いざ契約書の締結!
という段階で慌てないようにしっかり覚えておきましょう。