新卒、新入社員が覚えておきたいビジネスメールの基本とマナー

今や社会人になるとメールは必須。

営業職においてはメールの使い方で成績も大きく左右します。

ビジネスの世界では友人、知人とのメールやLINEとは全く違ったルールが存在します。

うっかり友人に送るようなメールをお客様や取引先に送ってしまうことのないように基本をおさえておきましょう。

新卒や新入社員が最低限おさえておきたいポイントをご紹介します。

ビジネスメールの基本

返信速度が好感度に左右する

メールの返信速度で「仕事が出来る人」という印象は大幅に変わってきます。

メールを受信して2日以上も返信無しというのはクレームの元にもなります。

目安としては24時間以内に出来るだけ早く返信するようにして下さい。

 

どうしても回答に時間を要する内容であればそのままにせず、

「◯日以内に回答させていただきます。」

といった内容のメールを返信しておきましょう。

重要な用件はメールと確認の電話が基本

お客様や取引先、上司への連絡にメールを使うことも多々あります。

ただ、重要な用件や、緊急の用件についてはメールを送って終わりということはしないことです。

重要な用件、緊急の用件については「メールと電話の両方で確実に伝える」というのが大切です。

 

もちろんメールは記録として送信時間や送信内容が残ることがメリットですが、相手がメールを閲覧しなければ意味がありません。

大事な用件はメールを送信した後で

「メールを送信させていただきました」

という内容を直接電話で伝えておくと「読んでなかった」というトラブルを防ぐことが出来ます。

万が一メールアドレス間違いやサーバーのエラー等で送信出来なかった、受信していなかったという場合でも緊急の用件はしっかり相手に伝わるようにします。

アドレス欄のToとかCcとかBccって何?

メールの宛先には「To」「Cc」「Bcc」という3つの送信先があります。

ぼくも最初はわからなかったのですが、しっかり使い分けが出来ればとても便利なメールの機能です。

「To」メールを読んで欲しい相手のメールアドレス

TOは通常の送信先(宛先)です。

送信したい相手のメールアドレスを入力します。

Toに複数の宛先が入っている場合

「To」には複数名のメールアドレスを入れても問題ありません。

複数名のメールアドレスを入力する場合は「,」で区切って入力します。

(例)
sample@sample.com,test@sample.com

また、受信メールの「To」に複数名入っていて、「To」にあなたが含まれている場合には返信が必要になります。

「Cc」共有して欲しい人や見ておいて欲しい人のメールアドレス

「Cc」はCarbon Copy(カーボンコピー)のことです。

元々はカーボン紙によって複写された文書のことですが、メールの場合にも同じ意味合いです。

参考までにメールを受信しておいて欲しい人や、関連する人で情報を共有しておきたい人の宛先を入力します。

「Cc」の宛先も複数入力することができます。

Ccに入れる宛先例

「To」「Cc」に入っている方にメールアドレスが知られても良い方を「Cc」に入力します。

いろいろなパターンがありますが、いくつかの例を上げてみます。

  • 送信したメール、返信されてくるメールも共有したい方
  • 営業や商談、打合せ等で同席して情報を共有しておきたい方
  • 同行・同席した社内の同僚や上司等
  • 引継ぎしたい社内の同僚、部下、上司等

「Cc」にあなたの名前が入っている場合は返信する必要はないですが、内容は確認しておくようにしましょう。

Ccで送信する場合の宛名

「Cc」でメールアドレスを追加した場合は、本文の書き出しに名前を入れておくと受け取った方はわかりやすくなります。

(例)
「To」が取引先、お客様の株式会社サンプルの鈴木社長、「Cc」に商談に同席した自社の上司である部長の佐藤部長を入れてメールを作成する場合

株式会社サンプル
代表取締役 鈴木一郎様
(Cc:弊社 佐藤)

という書き出しになります。

社外の人に送るメールの場合、自社の上司でも敬称はつけないのが基本です。

「Bcc」他の受信者には表示されないけど受信して欲しいメールアドレス

「Bcc」はBlind Carbon Copy(ブラインド カーボン コピー)の略です。

「Bcc」に入力したメールアドレスは「To」や「Cc」で受け取った受信者にはメールアドレスが見えません。

ブラインドなので見えないという意味のままです。

Bccに入れる宛先例

「To」や「Cc」で受信する方には共有しないけど「Bcc」に入れる方には送信した内容を知っておいて欲しい場合に使います。

上司への報告や、相手には伝えなくてもいいけど共有しておいて欲しい人を「Bcc」に入力します。

  • 取引先へのメールを上司にも念のため確認して欲しい
  • 社外の人へのメールだけど自社の担当者等にも共有しておきたい
  • 社外の人へのメールでそれ以外の会社の面識のない人も共有したい

Bccでの注意点

「Cc」や「To」の人が全員に返信をしても、返信メールは「Bcc」に入っている人には届きません。

返信があったものを読んでもらいたい場合は別途転送する必要があります。

「Bcc」の人にも返信を読んで欲しい場合は注意しましょう。

 

基本的に「Bcc」に入っている人とは内緒話をこっそり聞かされているようなものです。

あなたが「Bcc」で受信した場合、「全員に返信する」をしてしまうと「Bcc」の意味が無くなってしまいます。

ビジネスメールの書き方の基本

件名(タイトル)の書き方

件名を見ただけで何のメールなのかが分かるように書きます。

社名と名前を名乗る件名を付ける方もいますが、メールのやり取りが多い方に対しては不親切です。

どんな内容が書かれているのか一目でわかるようなタイトルを入れましょう。

(例)

  • ◯月△日 ◯◯の打ち合わせについて
  • 【◯◯お見積りの件】△株式会社 鈴木
  • 【ご相談】◯◯の件

【重要】や【お知らせ】など、記号を使った件名もシンプルであれば見やすくなります。

本文の書き方

本文の書き方もビジネスメールには最低限知っておきたいマナーがあります。

書き出しは相手の社名、部署、名前

書き出しには相手の会社名、部署、役職、名前等を書きます。

(例)
株式会社サンプル
代表取締役 佐藤一郎様
(例2)
「To」や「Cc」に複数名の名前が入る場合

サンプル株式会社
代表取締役 佐藤一郎様
営業部課長 鈴木太郎様

内容の前に挨拶文

本文に相手の名前を書いたら、次は挨拶文と自社とあなたの名前を書きます。

(例1)
お世話になっております。
株式会社サンプルの◯◯です。
(例2)
先日はお時間をいただきましてありがとうございました。
サンプル株式会社の◯◯です。
(例3)
平素は格別のお引き立てを賜り厚く御礼申し上げます。

(例3)はビジネスメールの中でも請求書を送信したり、形式的なメールの送信に使うことが多いので、返信メールにはあまり使うことはありません。

通常は(例1)が汎用的です。

内容は簡潔に読みやすく

ビジネスメールに限ったことではないですが、わかりやすく、読みやすい文章を心がけます。

ダラダラ長い文章は読んでいても内容が頭に入ってきません。

簡潔に内容が伝わる文章にします。

ほどよく改行して行間を使う

項目ごとに改行をしたり、行間を上手く使うことでメールの読みやすさは大きく変わります。

読みにくいメール
大変お世話になっております、◯◯株式会社の△△です。昨日はお忙しい中お時間をいただきましてありがとうございました。□□のお話など、私の経験にはない部分で大変勉強になりました。参考にさせていただきます。◯◯◯の件につきましては社内で調整をした上で△日までに回答をさせていただきます。今後ともよろしくお願いいたします。
改行や行間を使ったメール
いつもお世話になっております。
◯◯株式会社の△△です。

昨日はお忙しい中お時間をいただきましてありがとうございました。

□□のお話など、私の経験にはない部分で大変勉強になりました。
参考にさせていただきます。

◯◯◯の件につきましては社内で調整をした上で、
△日までに回答をさせていただきます。

今後ともよろしくお願いいたします。

いかがでしょうか?

どちらのメールが読みやすいかは一目瞭然ですね。

顔文字、絵文字はNG

たまに新卒や新人の方、転職サイトからの応募者の方で顔文字を入れてメールをいただくことがあります。

ぼくは営業職なので、お客様から顔文字付きのメールをいただく分には

「コミュニケーションしっかりとれてそうだな、信用してくれてるのかな」

と思ったりもするのですが、取引先や後輩から会社のメールに顔文字が入っているとちょっと

「えっ・・・」

と思ってしまいます。

 

ビジネスメールでは、感情を表現するのはあくまでも文章でというのが基本です。

お客様に送信するメールでは、出来れば「!」なども避けておいた方がいいですね。

文末は締めくくる言葉で

メールの本文の最後は締めくくる言葉を使います。

本文の内容によって結びの言葉は変わってきます。

通常の例
  • よろしくお願い申し上げます
  • 引き続きよろしくお願いいたします
相手に確認して欲しい内容の場合
  • ご確認の程よろしくお願いいたします
  • ご検討よろしくお願い申し上げます
  • ご連絡をいただけますと幸いです
  • ご連絡いただきますようお願い申し上げます

文章の締めくくりも挨拶のようなものです。

相手に確認して欲しい、検討して欲しいという文章の締めくくりには「お手数おかけいたしますが」や「大変恐縮ですが」などを付け加えると丁寧な印象になります。

署名

これは会社によって統一されていたりもします。

自分で作成しなければならないのであれば、

「社名」
「所属部署」
「役職 氏名」
「住所 連絡先」

等を登録しておくと便利です。

署名のテンプレート「メール署名 テンプレート」などで検索するとたくさん出てくるので参考にしてみて下さい。

添付ファイル

意外と見落としがちなのが添付ファイルです。

ぼくもよくやってしまうのですが、

「添付いたしますのでご確認をお願いいたします」

と書いておきながら添付を忘れてしまったり。

そうすると、

「先ほどは大変失礼いたしました」

というメールをもう一通作成して添付することになります。

送信前に必ず確認するようにしましょう。

送信前に必ずチェックする5つのポイント

忙しいとおろそかになりがちですが、メールの文章は送信ボタンを押す前に必ず読み返しましょう。

メール送信前の5つのチェックポイント
1.送信先は正しいか
2.誤字脱字はないか
3.文章としておかしくないか
4.重複した内容で読みにくくなっていないか
5.必要なファイルが添付されているか

この送信前の読み返しをしないと、宛先間違いについては取り返しがつかなくなってしまったりします。

本当は社内のメールなのに取引先に社内事情を送ってしまったりすると情報漏洩にもなりかねません。

しっかり確認しましょう。

まとめ

新卒や新入社員にとってビジネスメールというのは戸惑うことの一つです。

慣れてしまえば気にすることもなくなりますが、最初は(何て書いたらいいんだろう)と悩んでしまったりします。

メールの内容は記録として残りますので基本的な部分はおさえておきましょう。

一番重要なことは、送信前に必ず確認をすることを忘れないことです。

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