営業とは切っても切れないのが目標と言う名のノルマです。
もちろんノルマと捉えるか、目標と捉えるかは営業マン次第ですが、実際のところは会社から下ろされるケースがほとんどです。
「◯◯万円の売上が必達」
「今月は◯件の受注が最低限」
と言った具合に過酷な目標を強いられるのが通常の営業職です。
どんな理不尽な目標を設定されようとも達成をしていくのが営業マンの仕事です。
今回はどのようにして100%以上の達成をする目標設定をするのかを具体的に解説します。
目標は逆算する
まずは目標として設定されている数値を書き出します。
年間の予算が決まっているのであれば年単位、月ごとの評価なら月単位から逆算します。
一時間単位まで目標数字を逆算する
逆算するときは一時間単位まで落とし込むとあなたは今何をすべきなのかが明確になります。
年間の目標売上が3000万円の場合3000万円/年
↓
3000/12=250
月間で最低250万円
↓
20日営業日数があると仮定して
250/20=12.5
週に62.5万円
一日12.5万円の売上が必要
↓
8時間の稼働時間だと仮定すると
一時間に15600円の売上が必要
ここまで落とし込むと、今あなたのやっていることが一時間当たりの生産性があるのかを意識できます。
ただ、これだけでは達成できるイメージはなかなかわいてきません。
明確な数値として算出する10の手順
売上というのは商材やサービスによって単価が違ってきます。
次にやることは月単位での売上を達成するにはどれだけの受注件数が必要になるのかを明確にします。
「何を何件いくらで販売するのか」
を明確にして数字に変えていきます。
手順としては、
- 平均単価を設定する
- 月単位での受注(契約)件数を算出
- キャンセル、解約率を考慮
- 月単位での最低受注(契約)件数を確定
- 平均受注率(契約率)を算出
- 必要な訪問件数を算出
- 訪問に必要なアポイント数を算出
- 架電件数に対してのアポイント獲得率を算出
- 月間に必要な架電件数を算出
- 日々の数字に落とし込んで今やることを決める
1.平均単価を設定する
営業できる商材やサービスが複数ある場合は、何を何件販売するのかを明確にします。
あくまでも目標設定は数値にしないと設定しにくくなりますので、月間の合計と平均を計算します。
営業する商材やサービスが一つであればここはスムーズにできるはずです。
2.月単位での受注(契約)件数を算出
これは説明するまでもないですが、月間の平均単価が出たら達成するために必要な件数を書き出します。
3.キャンセル、解約率を考慮
忘れがちですが、契約をとっても「やっぱりよく考えたけど今回やめとくわ」というお客様も一定数存在します。
これを計算に入れておかないと達成はできません。
「もちろん解約になるような受注はしない!」
と意気込むのも一つですが、それでもキャンセル率を考慮して営業活動を行うことで100%以上の達成が可能になります。
4.月単位での最低受注(契約)件数を確定
キャンセル、解約率を計算したら再度月間に必要な受注(契約)件数を計算して確定します。
月間で追っていく数字はここが基準になります。
5.平均受注率(契約率)を算出
次は受注率です。
商談がテレアポなのか飛び込みなのか、平均の訪問・折衝回数がどの程度なのかによっても変わってきます。
決裁者に直接アポイントをとって訪問するような即決営業であれば計算は簡単です。
担当者から稟議を上げてもらった上で受注に至るような場合は、受注までの期間も考慮する必要があります。
その場合も単純に訪問回数に対しての受注率を出しておくことで行動が明確になります。
6.必要な訪問件数を算出
これも即決営業の場合は単純に受注率が出ていればすぐに計算できます。
平均3回訪問して受注までの期間が1週間であれば、新規の訪問件数と2回目、3回目の訪問件数も考慮します。
さらに、2回目、3回目と訪問して商談ができる確率も計算して、2回目での失注率、3回目での失注率を計算した上で訪問件数を確定させます。
そうすると、初回の訪問が○件、2回目の訪問が○件、3回目の訪問が○件、どのくらいの割合で合計何件必要なのかを計算します。
ただ、2回目、3回目の訪問はどうしても営業力やお客様によってズレが生じやすいので初回の訪問に重点を置いて目標設定を行います。
飛び込み営業の場合は純粋に新規のドアノック回数を計算します。
7.訪問に必要なアポイント数を算出
アポイント数というのは訪問数とイコールになると思われがちですが、ここも落とし穴です。
例えば一日3件の訪問予定があったとしても、お客様の都合で1件は日程が変更になった、事前に断りの電話が入ったなどはよくあることです。
これを計算しておかないと最終的に大幅にずれてきます。
8.架電件数に対してのアポイント獲得率を算出
何件の架電に対してどのくらいアポイントが獲得できるのかを計算します。
さらに、架電件数に対しての受注率(契約率)も計算しておきます。
9.月間に必要な架電件数を算出
単純にアポ率と受注率から割り出すだけなので、上記の計算ができていれば簡単なはずです。
なぜアポ率だけでなく架電に対しての受注率まで計算をするかというと、アポ率の計算だけだとリストの質、お客様のエリアや状況でかなり波が出てしまいます。
さらに営業マンのモチベーションによってアポ率は上下します。
(例)架電100件に対してアポイント1件、訪問5件に対して受注1件の場合
受注1件に必要な架電件数は500件
5件受注するには2500件の架電が必要
どうでしょうか?
2500件というとちょっと気が遠くなってしまいます。
架電件数というのはアポ率、受注率が数%変わるだけで大きく数字が変化します。
アポ率1%で算出しましたが、これが半分になると単純に倍の架電が必要になります。
さらにテレアポというのは断られ続けるので、モチベーション維持が難しくなります。
架電件数に対しての受注率が計算できれば、アポイントにつながらない件数が多く続いてもまだ気持ちが楽です。
例えば、
「100件に1件はアポになるはずなのに200件かけてもアポが入らない・・・」
「500件かければ1件受注できるアポイントが入るはず、まだ200件だからあと300件!」
とらえ方にもよりますがモチベーション維持のためです。
10.日々の数字に落とし込んで今やることを決める
月間の架電目標が設定出来たら日々の数字に落とし込みます。
単純に稼働日数で割ればいいのですが、訪問する日数や時間も考えておかなければいけません。
単純に日数で割って時間で割るだけなら一時間当たりの架電件数は大したことはありませんが、訪問する時間を除いて考えると思ったよりやるべきことがシビアに見えてきます。
上の例で例えると、
↓
月間2500件
↓
週間625件
↓
一日125件週の半分は訪問に出るとすると一日250件の架電週に3日は訪問時間として必要なら一日375件架電
どうでしょう?
一日375件の架電は最低限必須になります。
一時間単位でみれば約50件は架電が必要になります。
目標設定は常に修正する
目標設定は最初に行うのが当たり前ですが、実際に動き始めてからも常に修正をしていきます。
企業であれば下方修正なんていう言葉もよく聞きますが、営業マンの場合は下ぶれしたからといって目標値を下方修正するわけにはいきません。
常に現在時点と最終地点で見直す
週ごと、一日ごと、一時間ごとにどれだけの達成率なのかを把握して、未達であれば修正をしていきます。
そのためには、今の時点で目標に対して何%達成していなければならないのか、どのくらい達成できているのかを明確にする必要があります。
- 現状達成率の算出
- (現在数字÷目標数字×100)÷(経過時間÷設定時間×100)
例えば、今月の目標が200で現在50、20日稼働に対して7日が経過の場合、現状達成率は71%。
単純に今日の時点で29%が目標に対してマイナスです。
現時点で足りていない数字を補うためにはどこまでにどれだけをやるのかを上記の手順で再計算します。
これは締日間近に焦っても手遅れだったりするので、毎日やらないと意味がありません。
目標達成の2つのコツ
100%以上目標を達成する人がやっていることがいくつかあります。
- 見込みは計算に入れずに修正する
- 常に目標を意識する
この二つは最重要です。
見込みの数字で動いてしまうと痛い目にあいます。
さらに目標数字や設定した日々の最低限の必達は、エクセルで計算するのはいいのですが、手帳やスマホなどの常に目に留まる場所においていつでも意識できるようにしておきます。
まとめ
目標設定のポイントとしてはあなたが
これだけやりたい
これだけ稼ぎたい
この数字が出れば昇格・昇給する
という「達成したらこうなる!」という部分が逆算の最初の地点です。
そこを起点にしないと達成するためのモチベーションが持続しません。
達成した時のことをイメージしながら目標設定をして、常にそれを思い出せるように目に触れる場所に書き出しておくことが大切です。