営業、商談においてノートの取り方まで気を使っている方はどのくらいいるでしょうか?
実は営業マンがお客様の前でメモを取る場合、単純に備忘録にしてしまうのはあまりにもったいないのです。
ノート術、メモ術を上げると驚くほどお客様に伝わる度合いが変わります。
営業現場ではパワーポイントで作成した資料を使っての営業も多いと思いますが、それとは別にお客様に聞いたことをまとめるノートやメモを別紙で用意しておくと整理しやすくなります。
これは営業マン自身も話を整理しやすいですし、お客さまにとってもイメージを整理しやすいというメリットが生まれます。
そして、あくまでも事前に用意した資料は営業マン側の提案ですが、お客様の目の前で書くノートや紙は目の前のお客様に合わせた最強の営業資料になり得ます。
メモを取るノートの選び方
まずはノートの選び方ですが、営業・商談で活用するノートはA4、B4くらいの大きなサイズがおすすめです。
B4、A4くらいが理想。
なぜ大きなサイズがいいのかというと、ノート活用術の目的はお客様にもノートを見てもらうことが重要だからです。
話の内容を忘れないようにメモを取るのであれば小さなメモ帳や手帖でもいいのですが、営業マンのノート活用は契約率を上げることが目的になります。
お客様からも見やすいサイズのノートにメモを書いていきます。
実は、ぼくが使っていたのはA4サイズのコピー用紙(白紙)です。
これは意外とおすすめで、最終的にお客様に「そのメモちょうだい」と言われた時にコピーしやすいのが一番のメリットです。
書いたメモをそのまま渡してしまうと、自分用のメモが無くなってしまうので出来ればコピーをとってもらってから渡すようにします。
(最近はiPhoneで「写真だけとりますね」といって自分の控えは画像にして、お客様にあげてしまうこともあります)
メモを取る前にお客様にひと言添える
人によっては、
- 話の途中でメモをとられるのがイヤ
- 社外秘の内容だからメモをとられると困る
という方もいます。
メモを取り始める前にひと言
「メモを取ってもよろしいですか?」
と断っておくとお客様に不快感を与えにくくなりますし、お客様も
(メモしてくれるならしっかり話そう)
と心構えをして話してもらいやすくなります。
メモを取り始めるタイミングは?
タイミングはいつでもいいと思いますが、なるべく最初からメモをしておいた方が聞きもれを防げます。
さらに、お客様によっては商談の最初と後半では話してくれる内容が変わってきたりもします。
出会ったばかりの営業マンに何でも話してくれるわけではありませんし、様子見で話していたお客様が心を開いてくれた瞬間に本当のことを話してくれるということは良くあります。
そんなお客様の心の変化を見極めるのも営業にとっては大事なスキルですが、メモをしていくことでお客様の発言がより深くなっていくこと、掘り下げた内容を話してくれることを把握することも出来ます。
営業のノートの取り方のコツ3ステップ
よく「ノートに何をメモしたらいいんですか?」という質問もされますが、いくつかポイントがあります。
何のためにノートを取るかと言うと、大きな目的は『契約をもらうため』ですが、ポイントは3つのステップでまとめていきます。
まとめながら書いていくというのは難しいもので、先ほども書きましたが商談の前半と後半ではお客様の話が変わったり、途中から遡って掘り下げて話してくれたりということが良くあります。
1.商談の内容を記録しておく
まずはお客様が発言したキーワードを書き出していきます。
重要なのは、提案する商材やサービスに関わってくる内容を書き出していくことです。
コツをつかむまでは、どんな内容を聞き出したいのかあらかじめ質問項目をいくつか決めておくことでその質問に対しての答えを書き出していきます。
法人向けの広告営業の場合
- お客様のお客様(広告配信のターゲット)は誰なのか
- 今まではどんな広告をやってきたのか、その結果はどうなのか
- なぜ今回話しを聞いてくれるのか
- 提案したい広告に対してのイメージがどうなのか
- 広告で何を伝えたいのか
かなりザックリした例になってしまいましたが、お客様の現状を知るための質問がメインになっています。
これは提案する商品やサービスに合わせて提案しやすくなるような内容をヒアリングしていきます。
2.お客様の意見をまとめる
これは難しく考えがちですが、いたってシンプルです。
お客様が話してくれた内容をカテゴリごとに紙に書きだしていきます。
書き出すポイントとしては、
という順番にヒアリングして書き出していくと見やすくなります。
ただ、これだとなかなか思った通りに整理できないことが多いので、なるべくカテゴリごとに紙の場所を決めて書き出していきます。
・ノートの上半分はお客様からの言葉、下半分はあなたからの提案
・左側はメイン事業のメモ、右側はそれ以外の事業のメモ
ポイントはなるべく余白を多めに取りながら書き込んでいくこと。
後述しますが、余白を取ることで追記したり矢印を書き込んだりしやすくなります。
3.まとめた内容を紙に書くことでイメージを共有する
紙に書き出していくことのメリットはあなたとお客様のイメージにズレが生じないように共有していくことが大切です。
さらに、お客様の意見を書き出していくので、お客様自身も漠然としていたことが紙に書き出されることで整理されていきます。
その整理された情報をあなたが提案する商品やサービスに結びつけていくことで、商品の魅力は何倍にもなって商談はスムーズに進みます。
つまり、何のためにお客様にも見えるように書きだすのかというと、あなたの営業する商品やサービスが目の前のお客様にとって(自分にピッタリだ!)と思ってもらう為です。
ただ商品やサービスのメリットを伝えていく営業ではなくて、お客様の現状や意見に合わせて提案をしているという状況を作り出します。
見やすくまとめるコツ
ノートを見やすくまとめる流れとしては、
- 商談の前半はなるべく余白を多く取りながらメモを書いていく
- 半ばから後半は余白を埋めながら線を引いたり図形を使ってまとめていく
1.商談の前半はなるべく余白を多く取りながらメモを書いていく
商談の前半は、お客様の本音も出にくいですし、内容を掘り下げて聞きづらかったりもします。
なので、前半はなるべくノートに書くときに余白を多めにとってメモを取っていくようにします。
会話が進む中で「実は~」と掘り下げて話してくれたり、関連する内容が出てきたりした時に近い場所に書き足したり、線や矢印で関連付けたりということがしやすくなります。
最終的にその一枚を見れば商談した内容が一通りまとまっている、という状態が理想です。
時系列、カテゴリを意識して紙全体を活用
書いていくときは、なるべく紙全体を使ってメモをしていくことがポイントです。
時系列ごとに書く場所を分けたり、カテゴリごとに上段、中段、下段を使い分けたりすると見返しても分かりやすかったりします。
もちろん書きながらなので完璧に分けることは難しいですし、上段が足りなくなったら矢印を空欄まで引いて追記していけばいいだけです。
紙全体を使うことでお客様から見ても情報が整理しやすくなります。
図形やアンダーライン等をフル活用
紙に書いていくメリットは、パソコンでのメモと違って図形や矢印等を書くスピードが早いことです。
会議やセミナーの内容の議事録を取る、と言った場合はパソコンの方が早かったりしますが、アイデアや商談をまとめる、話しながら整理するという場合は紙の方がどう考えても効率的です。
2.半ばから後半は余白を埋めながら線を引いたり図形を使ってまとめていく
例えば、上段に書いた内容と下段に書いた内容に関連がありそう、ということがわかったら、上から下まで線でつなぐことも簡単です。
「絵が下手だし」とか「イラストとか書けないし」というのはあまり関係ありません。
メモしたキーワードや文章を丸や四角で囲ったり、アンダーラインを引いたり、囲った丸同士を線でつないだりするだけです。
これだけでもノートに書いていくレイアウトさえコツをつかめればかなり見やすくまとまります。
メモを取ることで得られる営業効果
実はメモを取るという行為には、お客様の断り文句を無くしていくことも可能ですし、話が二転三転してなかなか契約に踏み切れないというお客様の迷いを断つ力も持っています。
決断できない理由の一つはイメージが漠然としているから
お客様が決断できない理由の一つとして、(良いのはわかるけどイマイチ具体的なイメージがわかない)というケースが良くあります。
これは、お客様の頭の中に散らばっている情報を紙の上に書き起こすことで可視化していくことでイメージを固めていくことで決断力を上げていきます。
断り文句を解消するタイミングを図る
さらに、営業をやっていると必ず直面するクロージング後の断り文句です。
断る理由になりそうな発言も商談中に書き出して、タイミングをみてその理由を解消しておくヒントになります。
会話の中で
(あ、このまま進めるとこういう理由で断られそうだな、でも今この断り文句を解消するには強引すぎるタイミングだな、クロージングまでにしっかり解消しておかないと)
という感覚があっても、実際は商談の流れもありますし、解消することを忘れたままクロージングに入って、まさにその断り文句が出てきたときはとても後悔します。
そんな事がないように営業マンも常に目に入れるノートに書き起こしておくことで断り文句を解消するタイミングを図りながら意識することも出来ます。
出来れば使いたい一品
最近はなんとも便利な時代になってきました。
デジタルペーパー、電子ノートなんかが徐々に安くなってきています。
書いた文字をテキストに変換したり、そのままデータとして保存したりも可能です。
紙と違って検索性にもすぐれているので、お客様ごとにデータをいつでも取り出せます。
Amazon ソニー デジタルペーパーはまだまだ高価ですが、コクヨ CamiApp Sなんかだと手の届く価格帯です。
これからの時代はこういった電子ペーパーが活躍しそうですね。
まとめ
営業や商談の場でのノートやメモの取り方を工夫するだけでお客様の反応は大きく変わります。
営業のノートの取り方のコツは、
・聞き出したキーワードや必要な言葉を広げた紙のどこに書くか
・どのようなレイアウトでまとめるか
がポイントです。
コツを掴むにはどうしても慣れやトレーニングが必要です。
試行錯誤を繰り返して試しながらあなたオリジナルのベストなノートの取り方を極めれば、営業成績は大きく伸びていくはずです。
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